従業員の健康課題を一緒に解決しませんか？

健康経営とは、「従業員やその家族が抱える健康課題を個人の課題として捉えるのではなく、健康増進を企業全体で取り組むために、係る支出を将来の収益性向上などに向けた前向きな投資と捉え、健康増進を企業全体で取り組む経営手法のこと」を言います。

健康経理のメリットは、主にプレゼンティーズムの減少、従業員の定着率の改善、従業員満足の向上、社会的評価と企業イメージの向上があげられます。
実際に健康経営への投資額は少なくて済む一方、メディアへの露出などにより、企業のイメージアップやリクルート効果など外部効果だけでも投資額に対して 3～10 倍もの投資リターンを得ていることが分かっています。

経済産業省では、健康経営優良法人制度や健康経営銘柄など顕彰制度に取り組み、企業の健康経営に関する取り組みを活性化させており、2016年には318件の認定数に対し、2021年3月時点で7934件と大幅に取り組む企業が増えています。

労働生産性向上が期待される健康経営ですが、実際に取り組む企業が抱える課題について紹介します。

健康経営を実践する企業が直面する課題の１つは、「従業員の不十分なヘルスリテラシー」です。

従業員の健康問題に対しての取り組みが必要とされる一方で、従業員自身の健康に対する意識が低く、健康に配慮した生活を送らないために、健康状態が悪化する傾向があります。

そのため、企業の担当者は、社員に対して健康に関する啓発活動を行い、健康的な生活習慣を定着させることが重要となります。定期的な健康診断の実施や健康セミナーなどの社員研修、福利厚生活用の促進などに取り組んでいるのではないでしょうか？

しかし、健康診断のデータをもとに「血圧を下げるために減塩しましょう」「定期的に運動してください」という指導だけでは実際に取り組んでくれる従業員も少ないのが現実です。

従業員一人一人の健康状態、ワークライフバランスなどを考慮して個別に対応することで、実践率は大幅に向上することが期待できますが、現状のマンパワーでそこまでフォローするのは困難と言えるでしょう。

解決策として、健康に関する講座やセミナーの開催、社員の健康管理を支援するアプリケーションの提供、社員に対する個別の健康アドバイスの実施などが挙げられます。また、健康を維持するための社員の自己管理の重要性を理解させ、自発的に健康管理に取り組むことが求められます。

健康経営による従業員の健康改善にはデメリットもあることを知っておく必要があります。

●参加意欲の低下
一部の従業員は、自分の健康状態に関して話し合うことに抵抗を感じる場合があります。

●コストの負担
欧米との保険制度の違いもあり、日本では医療コストの削減につながりにくくむしろ増加する傾向にあります。

●実行の困難さ
従業員が多様な職種・勤務時間帯で働いている場合、健康管理のための時間的制約が課題となることがあります。

●一時的な成果しか出ない可能性がある
健康経営による効果は、実践を続けた期間や参加者の状態によって異なります。また健康経営の効果が直ちに現れるわけではなく、長期的な視点が必要です。

●モチベーションの低下
従業員が健康経営に取り組んでいる場合、目標を達成するためのプレッシャーがかかり、ストレスを感じることがあります。

健康経営に取り組む際のデメリットや注意点についてお伝えしてきました。しかし、冒頭にもお伝えしたように、健康経営に取り組む企業は年々増加しています。実際に取り組みに成功している事例を参考に、自社で出来る取り組みを構築していきましょう！

成功している企業の事例は経済産業省のHPで公表されていますので、是非参考にしてみて下さい。

最後に健康経営を実践する上でのポイントをまとめ、経営者・担当者が知っておくべきことを解説します。

●経営者のリーダーシップ：
健康経営を実践するには、経営者のリーダーシップが不可欠です。健康への取り組みを社員に積極的に示し、自らがその実践者であることが重要です。

●組織文化の定着：
健康経営を実践するには、健康への意識が組織全体に浸透することが必要です。健康への取り組みが社員の意識や行動に反映されるよう、組織文化の定着が重要です。

●健康への投資
健康経営を実践するためには、健康への前向きな投資が必要です。たとえば、健康診断の実施やストレスチェックの導入など、健康に関する施策に予算を投じることが求められます。

●オンラインツールの活用
近年は、健康経営の実践において、オンラインツールの活用が注目されています。たとえば、健康管理アプリやウェアラブルデバイスの導入などがあります。

●外部との連携
健康経営を実践する上で、外部との連携が重要です。健康保険組合や外部の専門機関と連携して健康への取り組みを進めることが求められます。